SEO のために rel 属性を指定する
rel 属性は、それが与えられた要素の意味を明確に示すために用いられます。 rel 属性を明確に示すことは SEO のために一定の効果が見込めると思われます(実際に一部の rel 情報を参照していることは明らかにされています)。 大量に設定しなければいけない属性ではありませんし、仮に微々たる効果であってもやって損はしないレベルの作業なので、 サイトの見直しの際にチェックしてみてはどうでしょうか。
rel 属性は HTML5 以前の HTML(XHTML) で定義されていますが、 HTML5 とは仕様が異なり、その値は厳格に定められていませんでした。
設定しておきたい rel 属性の値
HTML5 における rel 属性は link, a, area 要素にのみ設定することができます。 rel 属性の値(リンクタイプ)は次の通りです。詳細はW3C公式で確認することができます。
値 | link | a, area | 意味・利用目的 |
---|---|---|---|
alternate | ○ | ○ | 代替文書 |
author | ○ | ○ | 著者情報 |
bookmark | × | ○ | パーマリンク |
help | ○ | ○ | ヘルプの文書 |
icon | ○ | × | アイコン |
license | ○ | ○ | ライセンス(著作権文書) |
next | ○ | ○ | 連続した文書の次の文書 |
nofollow | × | ○ | リンク先の情報を保障・推奨しない |
noreferrer | × | ○ | リンク先にリファラを送信しない |
prefetch | ○ | ○ | リンク先のリソースを予めキャッシュする |
prev | ○ | ○ | 連続した文書の前の文書 |
search | ○ | ○ | 現在のドキュメントとその関連ページに対する検索機能 |
stylesheet | ○ | × | スタイルシート |
tag | × | ○ | 現在のドキュメントに適用されるタグが提供されている |
icon や stylesheet などは一般的な利用方法で良いですね。
意識して指定しておきたい値は、author, bookmark, licenseです。 ほとんどのサイトがそのテンプレート (Ex.ヘッダ、フッタ、一覧など) にこれらを指定するべきコンテンツを持っていると思います。 著作権情報や管理者を author や license によって明確にし、 普遍的なページへのリンクは常に bookmark を付けておくようにしたいところです。
また、いくつかの属性値は Google などの検索エンジンが特別な処理を行うので注意が必要です。 例えば nofollow は特別な処理が行われます。特別な処理が行われる属性値については後に続く項目で言及します。
検索エンジンにおける "nofollow"
nofollow は公式には次のようにされています。簡易に翻訳すると次のような感じでしょうか。 「nofollow キーワードは、そのページの権利者が、そのリンク(の内容)を保障しないことを示す。あるいは、広告や商業関係のために参照されるリンクである(ことを示す)」
The nofollow keyword indicates that the link is not endorsed by the original author or publisher of the page, or that the link to the referenced document was included primarily because of a commercial relationship between people affiliated with the two pages.
ただし、Google などの検索エンジンにおいては、nofollow はこれ以外の意味と役割を持ちます。 「特定のリンクに対して rel="nofollow" を使用する - Google ウェブマスターツール」にあるように、 nofollow が指定されたリンクを、Google の検索エンジンやロボットはたどりません。 したがって、Google にインデックス(Google に登録)したくないページへのリンクは、nofollow を付けるだけで良いことになります。 従来であれば、検索エンジンに向けた設定情報ファイル robot を利用する必要がありましたが、nofollow を使うことでこれを簡単に実現することができます。
また Google は、nofollow の従来の意味に従い、信頼できないコンテンツや商業向けのリンク(有料でリンクを提示する)に nofollow を付けることを推奨しています。 nofollow が持つ意味自体を変更するものではない、ということですね。
"prev" と "next" について
「コンテンツをページ指定する - Google ウェブマスターツール」などでは、 prev と next について言及されています。これらは、例えばブログのような連続するコンテンツの「前のページ/次のページ」に対して使われるべきでしょう。 ページ内の主要なコンテンツに手作業で設定することは負担が大きい気がします。
ブログなら、「前のページ / 次のページ」を出力するようなテンプレートにこれらを埋め込むことは容易でしょう。 あるいはコンテンツ量が多く、複数のページに分割するような仕組みを設けているのであれば、設定しても良いと思います。 ただしスクリプトなどで分割するページの場合には最初の 1 ページだけをインデックスさせるのが一般的です。 SEO の観点からすれば、そもそも完全に別の URL(パラメータによる分割ではない) に分けたほうが良いと思われます。